真夜中のストレッチング(1)

さだちゃんのいぼ連載コラム

真夜中のストレッチング(1)

皆さん こんにちは! 江花りょうです。

皆さんはこんなことありませんか?

特に悩みごとがあったり不安になっているわけではないのに眠れない。こんな夜を経験したことはありませんか?今日は、こんな夜を迎えてしまったある日のことを書かせていただきます。

いつもは悩みごとや不安を抱えていることが多いのに、この日に限ってリラックスしていて頚も肩も凝っていないし頭もスッキリしているんです。なんだか今ならどんなことでもできそうな気がする夜なんですね。眠くないというより、寝るのがもったいない夜なんです。

初めてこんな夜を経験したのは中学3年生の秋です。

鈴虫が鳴いていたのをよく覚えています。当時の私は田んぼや畑しかないような地方の小さな町に住んでいました。受験勉強をしているふりをしてミュージックライフを読みながら、ラジカセでクイーンを聴いていましたが、なんだか少し飽きてきた午前3時頃、どうしたことか寝るのがもったいような気がしてきて散歩に出かけたくなりました。

家族に知られないように息を殺してそっと自分の部屋を抜け出し、こんな夜中に中学生が散歩に出かけてはいけないだろうと罪悪感を抱きながらも、玄関で靴を履きドアを開けてみたのです。外に出ると人っ子一人いませんでした。はちみつに漬けたレモンスライスのような満月の光に照らされたススキの穂が、秋風に揺れていました。林も田んぼも土手の雑草も、その全ての存在は昼間よりも鮮明で力強く美しく感じ驚きました。こんな世界があったのかと思うと罪悪感などなくなって、月灯りを頼りに散歩に出かけたのです。

江花りょう

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